水飲み鳥コップの水だけでお辞儀を続ける、昭和の茶の間の小さな熱機関
水飲み鳥は、コップの水にくちばしを浸してやると、あとは電池も熱源もなしにお辞儀を繰り返し続ける科学玩具。動力は頭から蒸発する水の気化熱で、玩具でありながら熱機関そのもの。1946年にアメリカで特許が成立し、日本では「平和鳥」「ハッピーバード」の名で昭和の茶の間や喫茶店の定番になった。
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楽天 参考価格 ¥1,860 税込・店舗により変動
基本スペック
特徴
- くちばしを一度水に浸せば、コップの水がある限りお辞儀を繰り返す
- 動力は電池でもゼンマイでもなく「水の蒸発」。頭が冷えて生まれる圧力差で動く
- ガラス管の中を色付きの液体が上り下りする様子まで含めて、眺めて楽しい
- 空気が乾いているほどよく動き、湿度が高い日は動きが鈍る
- 見た目は玩具だが、物理の教科書や講義にたびたび登場する真面目な題材
仕組み
頭のフェルトに染みた水が蒸発し、頭のガラス球が冷える。中の気体が冷えて縮み、頭側の圧力が下がる。
圧力の高い胴側から、色付きの液体が首の管を押し上げられて頭側へ移る。頭が重くなり、鳥はゆっくり前へ傾く。
くちばしが水に浸るのと同時に管の下端が胴の液面から外れ、気体が抜けて液体は胴へ戻る。鳥は起き上がり、頭は濡れ直している。以下、この繰り返し。
図: JayNick, CC0, via Wikimedia Commons(動作のアニメーション。液体が首を上下する)
誕生と歴史

図: 米国意匠特許 D146,744(1947年・R. T. Plate), Public domain, via Wikimedia Commons(おなじみの姿は最初期から完成していた)
発明者のマイルズ・V・サリバンは、米ベル研究所に勤めた博士研究者。1945年に「novelty device(愉快な装置)」の名で特許を出願した。おもちゃとして売られたが、原理は気化熱を利用した本物の熱機関で、外から電力も燃料も与えずに動き続けるように見えることから「永久機関のようだ」と語り草になった。実際の動力は水の蒸発で、永久機関ではない。
日本では1949年6月、広島で製品化されたとされる。広島で作られたことにちなんで「平和鳥」と名付けられたと、物理学者・戸田盛和の著書などが伝えている。以来、ガラス細工の置物として茶の間に定着し、「ハッピーバード」の名でも売られてきた。
1922年、講演旅行で上海に立ち寄ったアインシュタイン夫妻が、原型にあたる中国製の玩具に見入ったという記録が残る。仕組みをすぐには見抜けなかったという逸話とともに語られることが多いが、そちらの詳細には諸説ある。
動かし方
コップに水を満たし、くちばしがちょうど届く高さに置く。高さ合わせがいちばんの肝心どころ。
頭とくちばしのフェルトを一度しっかり水で濡らし、体をまっすぐに立てて放す。
あとは待つだけ。しばらくするとお辞儀を始め、数十秒〜数分の周期で繰り返す。止まったら、水位が下がっていないか・部屋の湿度が高すぎないかを確かめる。
メモ
- 名前は「水飲み鳥」だが、実際には水を飲んでいない。くちばしを浸すのは頭のフェルトを湿らせ直すためで、コップの水は蒸発でしか減らない。
- 中の色付き液体はジクロロメタン。着色は観賞用で、色の違いで性能は変わらない。
- 物理学では「これが永久機関でないことを説明せよ」という演習問題の定番になっている。
- 海外の映画・ドラマでは「留守中に机で働き続ける係」としてたびたび登場する。シンプソンズでは在宅勤務のホーマーがキーボードを押す係に任命して大失敗する。
- 映画「エイリアン」シリーズには、小道具として繰り返し登場する。
- 初期の製品にはエーテルなど可燃性の液体が使われたものもあった。
購入先
現行品は海外製で、「ドリンキングバード」「ハッピーバード」などの名称で流通している。液体の色は赤・青・緑など数種類。
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