こけし東北の温泉土産から生まれた、ろくろ挽きの木の人形
写真: Boberger, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
こけしは、ろくろで木を挽いて作る、丸い頭と円筒形の胴だけのシンプルな木の人形。江戸時代後期、東北の温泉地で湯治客への土産として生まれた郷土玩具で、産地ごとに形や模様が異なる。
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基本スペック
特徴
- ろくろで木を挽いて作る、頭と円筒形の胴だけのシンプルな木の人形
- 産地ごとに形や模様が異なり、伝統こけしは約11の系統に分かれる
- 江戸後期、東北の温泉地で湯治客への土産として生まれた
- 首を回すとキュッと音が鳴るものもある(鳴子系)
主な系統
- 鳴子系(宮城):首を回すとキュッと音が鳴る。こけし発祥地のひとつ
- 遠刈田系(宮城):頭に放射状の華やかな模様「てがら」。最古級のこけし
- 土湯系(福島):小さな頭に細い胴、蛇の目模様が特徴
- 弥治郎系(宮城):頭にベレー帽のような同心円の模様
- 作並系(宮城・山形):差し込み式の小さな頭と細い胴

写真: Yauchi, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(日本こけし館)。系統ごとに形も模様も異なる。
誕生と歴史
こけしは、江戸時代後期の東北地方の温泉地で生まれたとされる。木を挽いて椀や盆を作る木地師が、椀作りで出る端材を使って子ども向けの木の人形を作り、湯治に来た客への土産として売ったのが始まりと伝えられる。
伝統こけしは、産地や師弟の系譜によって約11の系統に分かれる。頭と胴の形、描かれる模様、頭と胴のつなぎ方などがそれぞれ違い、見る人は形や模様から産地を見分ける。近年の量産品や、群馬の卯三郎こけしのような「創作こけし」は、これら伝統系統とは別の流れにある。
いまの「こけし」という呼び名は、1940年に東京こけし會が鳴子で開いた大会で正式に統一されたもの。それ以前は東北の各地で「きぼこ」「でこ」「こげす」など、産地ごとにさまざまな名で呼ばれていた。
つくり
ミズキやイタヤカエデなどの木を、ろくろに取り付けて回しながら刃物で削り、頭と胴の形にする。
頭と胴を組む。差し込み式・はめ込み式など、系統によってつなぎ方が違う。
顔や胴の模様を筆で描き、ろうを塗って磨いて仕上げる。
こけしの里
伝統こけしは、東北各地の温泉地を中心に受け継がれてきた。産地はそのまま系統の名前になっている。
- 鳴子(宮城):鳴子系の里。毎年秋に「全国こけし祭り」が開かれる
- 遠刈田(宮城):遠刈田系の里。最古級のこけしを生んだ地とされる
- 土湯(福島):土湯系の里。福島の古い温泉地
- 弥治郎(宮城):弥治郎系の里。こけしを展示する施設もある
- 黒石(青森):津軽系の里。こけしをテーマにした専門の展示施設がある
創作こけし
伝統こけしの系統とは別に、色や形を自由にデザインした「創作こけし」も各地で作られている。近年は海外の作家による作品もある。
写真: THOR, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
写真: Tóth-Vásárhelyi Réka / Tóth Anita, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
メモ
- 「こけし」の呼び名は1940年に統一されたもので、それまでは「きぼこ」「でこ」「こげす」など産地ごとにさまざまに呼ばれていた。
- 語源には諸説あり、「木で作った芥子(けし)人形」からとする説などがある。
- 昭和初期・1960年代後半・2010年代と、これまで三度のこけしブームがあったとされる。
- 伝統こけしは作者や系統を見分ける愛好家が多く、古い作品は収集やオークションの対象になっている。
- 群馬の卯三郎こけしのように、伝統系統とは別の「創作こけし」も人気がある。
- 近年は、東北の系統をアレンジした色や形の新しいこけしも各地で作られている。
購入先
現行の伝統こけしは、産地の工人や工芸店から今も手に入る。系統や作者によって表情が大きく変わるので、好みの一本を選ぶ楽しみがある。
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